森林科学とは

森の科学=科学の森

森林科学は多角的な視点から森と人との関わりを探求する「森の科学」です。
そして、多様な学問分野を含む「森の科学」は「科学の森」ともいえる学問です。

森林の利用と保全の両立を目指す

陸地の約1/3を占める森林は多様性に富む生態系です。人類はその森林から木材の供給をはじめとする多くの恵みを受けてきました。しかしその一方で、人間活動の場とその規模の拡大に伴って、行き過ぎた利用が多くの森林を劣化、消滅させるという事態にも直面しています。しかし、人間社会は森林の恵みに依存せずには成り立たず、森林に手を加えず厳正に保全すれば良いというような単純な解決策は存在しないのです。
このような状況の中で、森林のはたらきを知り、森林を利用する知識、森林を造る知識を積みあげて、森林の物質的、文化的な恵みの適正な享受と森林の保全を両立させる方策を考える学問領域が森林科学です。

多様な学問分野と研究課題

森林科学の特徴は、森林がもつさまざまな機能に対応したその多様性にあります。総合大学のほぼ全学部の課題に対応する分野が、「森林」をキーワードに集まっていることがそれを示しています。
森林の生物そのものを知ること、生物の相互関係の動態を知ること、生態系と環境の関わりを知ることなどの生物学的な研究がある一方で、森林を適正に利用する技術、森林を災害から守る技術、人と森林・風景との関わりに関する研究もあります。
これらは遺伝子、個体、個体群、群集、景観、地球全体という異なるレベルで、研究が進められています。

多様な学問分野と研究課題
森林を総合的に理解するための枠組み

森林を総合的に理解するための枠組み

温暖化などに対処する研究は、森林における基礎的な研究であるとともに、森林を守り育てる技術に直接役立てられる応用研究でもあります。そのため、細分化された研究領域の深化だけでは多様な機能を持つ森林の理解はできず、森林科学としての総合的な理解が求められています。山村や世界各地の森林で生活する人々と森林の関わり、あるいは都市民と森林の関わりの 研究においても、 自然科学から人文社会科学までを含む幅広い知識体系としての森林科学という枠組みが重要なのです。

森林を総合的に理解するための枠組み

森林科学のカリキュラム

森林を研究対象としている森林科学ではフィールドワークを重視しています。そのため、 実際に演習林などの森林へ出向く実習を用意しています。卒業研究では各専門領域の最先端の課題に取り組むことができ、カリキュラム全体をとおして森林を総合的に分析する視点が養われます。

森林科学のカリキュラム

アクセス

マップ

研究室等の所在地

弥生キャンパス(図) 東京都文京区弥生1-1-1
農学部1号館: 森林経理学 造林学 林政学 森林生物地球科学 森林利用学
        森林風致計画学 演習林4研究室
農学部3号館: 森林植物学 森林動物学 森林科学専攻事務
農学部7号館: 樹木生理学・熱帯造林学 樹木環境生理学
田無キャンパス 東京都西東京市緑町1-1-1
田無本館: 森林共生生物学
柏キャンパス 千葉県柏市柏の葉5-1-5
新領域環境棟: 陸域保全生物学 陸域生態系動態学 陸域景観情報学